IgGは、免疫グロブリンのひとつで、体内に入ってきた病原体などから体を守るためにはたらく抗体です。
MG患者さんでは、自分の体を攻撃する「IgG自己抗体」が作られ、「脳からの指令を伝える神経」と「筋肉」のつなぎ目(神経筋接合部:NMJ)の信号が伝わりにくくなります。
IgGは、免疫グロブリンのひとつで、体内に入ってきた病原体などから体を守るためにはたらく抗体です。
MG患者さんでは、自分の体を攻撃する「IgG自己抗体」が作られ、「脳からの指令を伝える神経」と「筋肉」のつなぎ目(神経筋接合部:NMJ)の信号が伝わりにくくなります。
IgGとIgG自己抗体の違いは?
IgGは病原体などから体を守るはたらきをする良い抗体です。一方、IgG自己抗体は、自分の体内成分に対してはたらく抗体で、通常は存在しませんが、MG患者さんの体内では作られています。なぜIgG自己抗体がMG患者さんの体内で作られるかはよくわかっていません。
NMJでは、アセチルコリン(ACh)という物質が神経側から放出され、それが筋肉側のアセチルコリン受容体(AChR)に結合することで、信号が伝わります。
MGでは、IgG自己抗体によってAChのAChRへの結合が阻害され、脳から筋肉への信号が伝わりにくくなります。そのため、筋力低下や疲れやすさといったMGのさまざまな症状が現れることになります。
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Koneczny I, Herbst R. Cells. 2019;8(7):671.
❶IgGがFcRnと結合する
❷FcRnと結合したIgGはリソソームでの分解をまぬがれる
❸IgGがリサイクル(再利用)される
❶IgG自己抗体を含むIgGがFcRnと結合する
❷FcRnと結合したIgG自己抗体を含むIgGはリソソームでの分解をまぬがれる
❸IgG自己抗体を含むIgGがリサイクル(再利用)される
「重症筋無力症診療ガイドライン」作成委員会編. 重症筋無力症診療ガイドライン2014. 南江堂. 2014
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